グレイコードパターン投影法
概要
距離画像を得る際の代表的な手法が、ステレオ法。ステレオ法では、二視点から同じ対象を撮影し、画像内の対応関係を用いて、三角測量によって対象までの距離を求める。しかし画像の見えのみによる対応付けでは、撮影対象の特徴が乏しい場合、対応誤りが生じ、精度良く距離を求めることはできない。そこで精度良く距離を求める方法として、カメラをプロジェクタに置き換え、プロジェクタから発した光を一方のカメラで受光し、対応付けを求めるグレイコードパターン投影法がある。
投影回数削減の工夫
単純な方法として、画像の左端列から1列ずつ発光・撮影する方法が考えられる。この場合、画像の幅だけ処理を繰り返す必要があり、多くの計算コストを要してしまう。グレイコードパターン投影法では、1列毎を二進数で表現する。二進数では10bitで1024までの値を表せることから、例えば幅が1024画素の画像であっても、10回の発光・撮影によって発光パターンから列を特定することができる。
誤り削減の工夫
2進数では、上位ビットが誤って反転してしまった場合、値そのものが大きく変化してしまう。この現象を防ぐためグレイコードパターン投影法では、グレイコードを用いる。グレイコードでは、ある値から隣接した値に変化する際に、常に1ビットしか変化しない。すなわち上位ビットに誤りが生じても、値そのものが大きく変化してしまうことはない。グレイコードは、”通常の二進数表現”と”それを1ビット右シフトし、先頭に0をつけたもの”の排他的論理和で得られる。
参考にした資料
・三次元計測のまとめ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejeiss/124/8/124_8_1556/_pdf
・グレイコードパターン投影の説明
感想
1000本から毒入りワインを見つける問題を思い出しました。